● 設定 & 製作後記
2025年 地球上の海洋が全て泥化が始まった。変質した海面の上昇とともに、地
球は泥の玉に変じ、10年を待たずに地表から一切の生命が根絶した。一握りの
人類は宇宙へ脱出した。しかし大半の人類は、遺伝子、記憶、技能等の情報を可
能な限り抽出、デジタルデータへ情報化し、泥の中のコロイド粒子間に形成され
たセルオートマトン系アーカイブ内に以前とはまるでかけ離れた状態で保存され
、再生までの無限の時を一瞬として待つことになった。
それでも生身の人間として、地球に住み続ける人々がいた。
地下の強固な岩盤内に、ジオフロントを築き、人口太陽と酸素や食品、あらゆる
人間に必要な事物が化学反応により合成され命を繋ぐ事になった。地球上には当
初21のジオフロントが作られたが、建造後20年で事故や市民の暴動、テロ活動な
どで、10が破壊され、5つがスラム化し、2つが無人となり、20世紀後半に近い文
明を維持しているのは3つのみとなった。現在この3つの間では通信が可能だが、
人員や物資の交流は不可能となっている。
地中内での生活は、地上に比べて思わぬ事故が相次いだ。
特に崩落事故による建造物の崩壊は防ぎようもなく悲劇は続いた。当初ジオフロ
ント内では限られた生命圏として居住空間の存続が最優先され、人命の優先度は
極めて低く位置づけられたが、いくつかのジオフロント全体の崩壊経験の追跡調
査から、社会の安定に見合った適正な人命尊重の必要性が再認識された。
こうした影響を受け、旧ロシア直下に建造された、G09では、ジオフロント建造時
に使用した削岩機を流用して、人命救助用の深層地中潜行用小型ビーグルを多数
建造、レスキュー部隊を編成した。
───TERA DEEP DIVER RESCUE TEAM
しかし市民は彼らに敬愛をこめてこう呼んだ。
「モグライダー」
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という特撮SFテレビ番組の玩具という設定。
玩具なので手で走らせるとドリルが回る。
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